はじめに
こんにちは、りんご飴です。
スポーツ、食欲、芸術の秋ですね。(現6月)
夏の暑さが到来する前に、気持ちばかりは涼しい芸術の秋を感じられるボードゲーム「アトリエ〜巨匠たちのスタジオ〜」をご紹介します!
こちらのゲームで使用される作品カードは、実在する絵画を用いていますので、さながら美術館を散歩するかのように様々な絵画を観ながら遊べるので、楽しみながらプレイできます!(実際はそんな悠長な時間はなく、相手の動きに目を光らせる場面が多いです笑)
ゲームの概要
プレイヤーは19世紀の有力な画家となりアトリエ(制作スタジオ)を経営します。
弟子たちを使って絵の具を調達し、名作を描き上げてパトロンなども獲得して、その時代の最も著名な画家を目指します。
ダイスワーカープレイスメントと言うのでしょうか(勝手に命名)、ダイスの出目を用いてアクションを行うので、結構運要素が多いところがありますが、描き上げた作品の能力や発想トークンと言う補助アクションを用いての戦略もありますので、割とバランスの良いダイスゲームだと思います。
ゲーム名 | アトリエ〜巨匠たちのスタジオ〜 |
プレイ時間 | 30〜45分 |
プレイ人数 | 2〜4人 |
対象年齢 | 14歳以上 |
ジャンル | ワーカープレイスメント・ダイスアクション |
販売時期 | 2020年6月25日 |
デザイナー | Nicolas Bongiu |
販売元 | アークライト |
開封

箱のオモテ面はこんな感じです。どこの広場を描いているのでしょうか。ベレー帽を被って白髭を蓄えたおじいちゃんが描いていそうですね(勝手な妄想)。

箱裏です。画家の先生がダイスを使って、弟子たちに絵の具を調達させているところです。
オレンジ色のミープルが見えますが、後述しますが実際は割と赤いです笑

箱を開けているところなんですが、この上箱の側面に指をかけられるところがありました!
大したことではないと思うのですが、ボードゲームの箱って滑ったり圧力とかで開けにくい場面があるので、こういった配慮はすごく助かります。

コンポーネントはこんな感じです。プレイヤーボードがパレット型なのが凄く目立ちますね!
トークン類の型枠が1枚なのは助かりました笑

説明書が美術館のガイドブックやリーフレットの仕様で、細かい部分まで凝っているなーって感じます。
私ごとですが、美術館や博物館に行ってこういったリーフレットをもらっても、家に帰って結局は捨ててしまうことが多いので、うっかりこの説明書を捨てたりしないように気を付けなくては。
内容物
- 制作教本(説明書):1冊
- 巨匠マーカー:1個
- 親マーカー:1個
- 発想トークン:20個
- 作品カード:40枚
- パトロンカード:16枚
- パレット:4枚
- 絵の具缶:60個(青、緑、赤、黄、各15個)
- ダイス:16個(黒、オレンジ、紫、白、各4個)
- 弟子コマ:48個(黒、オレンジ、紫、白、各12個)

プレイヤーボードのパレットです。
このゲームならではのボードで、中央付近の親指を入れる穴がリアルですね笑
間違っても様になるからってこれを持ち上げてプレイしてはいけませんよ!(経験者は語る)

弟子コマです。黒、紫、オレンジ、白ですが、実際に見るとオレンジのコマが赤く見えます。
右手にパレットっぽいのを持ち、左手に絵筆を持っています。
遠目で見ると剣と盾を持ったコマに見えて、群がると絵の具缶を得るために戦っているかのように見えてしまいます笑

パトロンカードです。
人物は5種類ですが、3〜4枚あり効果もそれぞれ違います。
ゲームで勝利する上ではなるべく多く獲得したいカードです。

作品カードです。
カードの左下に描かれている色と数字のアイコンが、このカードを獲得するのに必要な絵の具缶と個数です。
その左下に描かれている黄色の数字は勝利点で、その横にこのカードの効果が記載されています。
作品カードは、「このカードを制作した時〜」や「各ラウンドの開始時に〜」など、発動の条件が様々です。
右下に描かれている白い数字と弟子コマのアイコンは、このカードを制作したときに絵の具缶に配置している自分の弟子コマを手元に戻すことを表しています。数字は個数です。
こちらのアイコンは、獲得するのに必要なコストではなく、充分な数の弟子コマを戻すことが出来なくてもカードは獲得できます。(可能な範囲戻すこと)
カードの中央に描かれているのは作品のタイトルで、その下に「☆」が描かれているのは「名画」と言う作品カードです。
詳しくは後述しますが、このカードを3枚集めるとゲームの終了に移ります。

作品カードの右下の黄色のアイコンは、作品のカテゴリーを表しています。
- 右上(オウムガイみたいなの):印象派
- 左上(バラの花みたいなの):後期印象派
- 右下(小麦みたいなの):リアリズム
- 左下(バラの蕾みたいなの):ロマン派
分かり辛くてすいません。画像加工技術をあげて修正しておきます。
作品のカテゴリーは、パトロンや作品カードの効果によって勝利点などに使用されます。

左のパレットは「親マーカー」で、右の勝利点が描かれているのが「巨匠マーカー」です。
「名画」を3枚制作したプレイヤーにこの巨匠マーカーは与えられます。
ゲームの準備

1.全ての作品カードをシャッフルし山を作り、上から7枚取り表向きに並べます。
2.全てのパトロンカードをシャッフルし、山を作ります。
3.絵具の缶を色ごとに分けて、それぞれまとめて「絵の具缶置き場」を作ります。
4.各プレイヤーは次のものを受け取ります。
- パレット1枚
- 弟子コマ12個(パレットの上にまとめて置く)
- 弟子コマに対応するダイス4個
- 発想トークン1個
5.残りの発想トークンはまとめて山札のそばにおきます。共通在庫とします。
6.ランダムに親プレイヤーを決めます。
7.各プレイヤーは親から順にパトロンカードの上から2枚引き、どちらか1枚選んで自分の前に裏で伏せて、もう1枚は山札の底に戻します。
8.親プレイヤーの右隣から反時計回りの順に、各プレイヤーは弟子コマを1個、任意の絵の具缶の前に置きます。この時、他のプレイヤーが配置している所にも置けます。
プレイヤー全員が弟子コマ1個を配置したらゲーム開始です。(画像では弟子コマを配置し忘れていましたm(_ _)m )
ゲームの流れ
親プレイヤーから時計回りの順に各プレイヤーは手番を繰り返します。(ラウンドと呼びます)
各手番では未使用のダイスを1個以上使用して、アクションを実行します。
ダイスを全て使い切ったプレイヤーには手番は回って来なく、全プレイヤーのダイスが使い切ったらラウンドは終了します。ラウンドが終了したら、全プレイヤーは使用したダイスを回収し、再び振って未使用のダイスとしてパレットの上に置きます。
新しいラウンドの開始の前に親マーカーを左隣のプレイヤーに移します。
手番
手番ではA・Bのどちらかを実行します。
A.未使用のダイスを1個以上使用して、ダイスの出目に対応したアクションを実行します。(ダイスアクション参照)
B.未使用のダイスを1個使用し、発想トークンを共通在庫から1個獲得します。
※ 使用したダイスはパレットの上部(枠外)に置き、使用済みとします。
また、手番中にA・Bのアクションに加えて、C・Dのアクションをいつでも何度でも実行できます。
C.手持ちの発想トークンを必要数消費して、発想アクションを実行する。(発想アクション参照)
D.制作した作品カードの効果を使用する。手番中に制作したカードの効果もすぐに使えます。
手番の開始時にダイスを使い切っていたなら、そのプレイヤーの手番は飛ばされます。
また、何らかの理由でプレイヤーの手番が強制的に終了してしまう場合は、その手番中にアクションを実行できず、発想トークンを使用することもできません。
ダイスアクション
1・2の出目

1・2の出目は、弟子の配置です。
手持ちの弟子コマを1個、任意の絵の具缶置き場の前に配置します。手持ちにコマがないとこのアクションを実行できません。
3の出目

3の出目は、弟子の移動です。
絵の具缶置き場の前に配置されている各プレイヤー(自分のコマも含みます)の弟子コマを、0〜1個まで他の絵の具缶置き場に移動することができます。
同じ色の置き場から選ぶ必要も、同じ色の置き場へ移動する必要もありません。移動は自由にできます。
また、移動するコマは、最低でも合計1個は移動しなくてはいけません。(自分のコマを移動せず、他プレイヤーのコマのみ移動することもできる)
他プレイヤーへの妨害や自分のコマを有利にするためには打って付けの出目です。
4の出目

4の出目は、絵の具の調合です。
誰よりも多く配置している弟子コマを配置している置き場から、絵の具缶を1個獲得します。(条件が合っていたら複数個獲得できる)
画像では紫のコマが多いので、紫が絵の具を獲得できます。
※ 最も多く配置しているプレイヤーが複数いるなら、4人ゲーム時はそのプレイヤー達は獲得でき、2〜3人ゲームの時は誰も獲得できません。
5の出目

5の出目は、絵画の制作です。
必要なコストを支払って、公開されている作品カードの中から1枚選び獲得します。
支払った絵の具缶は置き場に戻します。
発想アクションでも制作できます。
作品カードの右下のアイコンに書かれている、弟子コマを手元に戻せるなら可能な範囲戻す。
(画像では5の出目ダイスを写すのを失念していましたm(_ _)m )
6の出目

6の出目は、絵の具の購入です。
任意の絵の具缶を1個獲得できます。
配置している弟子コマの数は関係ありません。
発想アクション

パレットにはダイスの出目の効果や発想アクションの効果が書かれています。
発想トークン1個:ダイスの振り直し
手番を迎えて未使用のダイスを振って、そのダイスを1個も使用していなかったら発想トークンを1つ支払うことで、未使用のダイスを全て振り直します。一部のダイスだけを振り直すことはできません。
発想トークン2個:絵画の制作
発想トークンを2つ支払うことで、ダイスアクションの5の出目と同じく、公開されている作品カードの中から1枚選んで、必要なコストを支払って獲得できます。
ダイスアクションではないので、ダイスを使用することはありません。
発想トークン3個:パトロン探し
発想トークンを3つ支払うことで、パトロンカードの山の上から1枚引き、確認して自分の場に伏せます。
ゲームの終了・勝敗
いずれかのプレイヤーが「名画」のカードを3枚制作したら、そのラウンドを最後まで実行し、更にもう1ラウンドを実行してゲームが終了します。
ゲームが終了したら、各プレイヤーは、「制作した作品カード」「条件を満たしたパトロンカード」「巨匠マーカー」の勝利点を計算し、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーの勝利とします。
最多のプレイヤーが複数いる場合は、制作した作品カードを多く所持しているプレイヤーの勝利です。それでもダメなら、巨匠マーカーを所持しているプレイヤーの勝利です。
スリーブ
このゲームには作品カードとパトロンカードの2種類があります。
パトロンカードのサイズは「88×63mm」なので、「エポック社のレギュラースリーブ」と「ホビーベースのTCGサイズ・ハード」の2種類がおすすめです。
16枚なので、どちらを買ってもかなり余りますので、違うボードゲームの残りでもいいかもしれません。
作品カードはいつも使用しているスリーブとは違って、タロットカードくらいのサイズです。
サイズは「70×120mm」と大きく、「ウルトラプロタロットカードサイズ用スリーブ」と言うスリーブがあります。
40枚必要で、これは50入りですので丁度いいですね。
この他にも「ぴったりスリーブ タロットカードサイズ(72×123mm)」と「フルアヘッドオリジナルスリーブ(72×123mm)」もおすすめです。
これらは100枚入りなので、だいぶ余ってしまうのが難点です。
おわりに
数々の名画を手に取りながら(奪い合いながら)遊べるなんて、洒落乙なゲームですね!
プレイヤーボードや作品カード、弟子コマや説明書など、このゲームの装飾はかなり凝っていると思います。
何度もプレイするうちに作品カードを覚え、他の人と絵画の話しているときになどに、ふと作品や作者の名前が出てきたらなんかカッコいいですね笑
そういった知識を付けるきっかけにもなり得る面白いボードゲームだと思います。
私なりの評価ですが、
- 良い点
コンポーネントが素晴らしい。本当に素晴らしい。
ダイス運だけじゃなく、他プレイヤーの牽制などもできるので戦略の幅が広い
準備が簡単で持ち運びが楽 - 悪い点
ダイス運よりも作品カードやパトロンカードの運要素が大きく、上手くコンボが入らないと大きく差が開きそう(カードの組み合わせを見極めるのが大事)
公開されている作品カードのリシャッフルができると、場が回りやすくなるかも
このゲームをまだ数回しか、しかも1人ででしかプレイしていないので、大した意見を言えないのですが、公開されている作品カードやパトロンカードの影響が大きいので、そこを上手く見極めて獲得したりするのが、勝利への鍵かなと感じました。
まだまだ発売されたばかりで、これから色んなレビューなども増えて行くと思いますので、それらを参考にさせてもらったりして、この記事をより良いものに仕上げたいと思います。
個人的な要望で、拡張が出るならゴッホの「夜のカフェテラス」やアルフォンス・ミュシャの作品などが追加されると嬉しいです(ネタバレごめんなさい)。
現在Amazonでは割と安めで購入できるようなので、よろしければ是非プレイしてみて下さい!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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